老人ホーム 埼玉を見落とさないように気をつけます

「雇用環境を自由化し、もっと働きもっと稼ごう」という現実的な政策を訴えたS氏と、「雇用確保は国の義務だ。 労働時間を短縮し最低賃金を上げよう」という理想論を唱えたロワイヤル氏の戦いであったといってよいでしょう。
まるで、日本における雇用政策論を聞いているようです。 そしてフランスは、S氏を選びました。
2006年3月に、「機会均等法」の成立に対して、デモやストライキが沸き起こったことを思い出します。 きっかけは、企業が26歳未満の労働者を雇用する場合に、2年間の「試用期間」を置くことを認め、その期間内であれば、理由なしの解雇を認めるというCPEが盛り込まれたこと。
抗議のあまりの激しさに、S大統領(当時)は1ヵ月後に事実上の撤回を決定するに至りました。 CPEは、「解雇を認める」ことで「雇用しやすくする」という現実的な政策でした。

失業率が高いフランスの中でも、若年層の失業率は20%を上回っており、社会問題化しています。 その背景には、伝統的に労働者の権利が手厚く保護されてきたため、労働者の解雇が難しく、企業側が正規雇用に消極的になっているという事情がありました。
ヨーロッパ統合の中で、人や資本の移動が活発化しており、硬直的な雇用政策を維持すれば、フランス一国だけが取り残されていくことは自明だったのですが、当時フランス国民は、CPEに対して「ノン」と明言しました。 2006年に大統領選が実施されていたら、選ばれたのはL氏だったでしょう。
フランス国民は、独自の雇用慣行を守り、既得権益化した正社員という立場を保護することを好んでいました。 そのためには非正規社員が正社員になるチャンスが減っても仕方ないと考えていたのです。
しかしその後の1年間は、フランス経済の停滞を立証するだけに終わりました。 8%を超える失業率は、ヨーロッパでは最悪の部類です。
経済成長率も、多くの国が2006年に2%台後半を達成したのに対して、22%にとどまってしまいました。 だからこそ、フランス国民ですら変革を望むようになったわけです。
S氏はCPEを推し進めていた政府と一定の距離を保つことで、大統領候補として頭角を現したのですが、結局のところCPEに類似する制度を入れ、雇用の流動化や企業の裁量を広げて、成長による雇用拡大策を選択しました。 「いま構造改革に手をつけなければフランスは世界から取り残されかねない」と主張するS氏をフランス国民は支持したのです。

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